クリの木は世界の温帯を中心に10種ほどあり、
ヨーロッパ種のマロングラッセや中国主の天津甘栗など、
栗の実を用いた有名な菓子類も多い。
日本では病害虫の関係から
外国原産のクリは育ちにくく、
現在国内で栽培されるクリは、
ほとんどが日本原産の品種です。
日本のクリは渋皮がむけにくいが、
実は大きいのがとくちょうです。
果実は堅果で、熟すにつれて、
いがの頂部が4裂開して果実は落下します。
クリの葉は有柄で互生し、
長楕円状波針形または狭長楕円形です。
日本のクリの木は古くから近畿の丹波、
但馬地方を中心に、自生したり栽培されたりしており、
実は保存食として重宝していました。
そして、万葉歌人の山上憶良の歌にも
「爪食めば 子供思ほゆ 栗食めば まして偲ばゆ…」
という一首がありますが、これ以降も
長い間貴重な食料として、栽培も各地に広まりました。
現在、日本のクリは茨城、愛媛、熊本などを中心に栽培され、
年間47000トンも収穫をあげていますが、
甘栗などには、中国からかなりの量が輸入されています。
また、栗の木は腐りにくいので木材としても重要で、
家具用材、建築用材、木炭用材、鉄道の枕木などとして
よく用いられ、樹皮はタンニンの原料になるなど、
幅広い用途があります。