キンモクセイは秋に一面に細かいオレンジ色の花をたくさんつけ、
遠くからでもその香りがわかるほどで、存在感のある樹木。
その香りはジンチョウゲとクチナシとともに、
「三香木」の一つとして数えられている。
キンモクセイは日当たりを好む非常に丈夫な樹木で、
ほとんど手がかからないため重宝する。
若木のうちから葉が密生して目隠しとして使えるが、
生長につれ、自然に釣りかね状の樹形となるので、
狭い庭には向かないので注意が必要。
キンモクセイは中国では雅な花という意味の「桂花」とも呼ばれており、
花を砂糖漬けにした「桂花糖」は食材・調味料としてお粥に入れたり、
お菓子の香りづけなどに利用されている。
また、キンモクセイの花をつけ込んで熟成させた
「桂花陳酒」などのお酒は日本でも比較的普及している。
仲間のギンモクセイは花が白色で、
香りはやや薄いが刈り込みに耐える特徴がる。
植え付け時期:キンモクセイの植え付けや植え替えは新芽の出る4〜5月が適期。
地植えの場合、一度植え付けてしまえば、植え替えの必要はない。
鉢植えの場合、鉢に根がまわってきたら、
根づまりするまえに一回り大きな鉢に植え替える。
植え付け方:キンモクセイは排気ガスなどの大気汚染に敏感で、
空気が悪い場所だと花芽が付かなくなったり、
花が咲いても香りが弱くなることがあるが、
葉の表面が汚れることが原因と考えられている。
そのような場合、生育期にときどき葉の表面を洗い流すように、
水をたっぷりとかけてあげると花付きがよくなる。
剪定やお手入れ:キンモクセイの剪定の適期は新芽が出る前の2〜3月、
もしくは開花後の10月。
花の咲き終わった枝を枝分かれしている部分から
5〜10cmの長さのところで切り詰めるようにする。
コンパクトに仕立てたい場合は、円筒状に刈り込むのがおすすめ。
作業適期なら多少短く切り詰めても開花に影響しないが、
刈り込む場合は一度にばっさりと切らないで、
毎年少しずつ切り詰めて枝を整える方がおすすめ。
木に葉がほとんどなくなるほどばっさりと刈り込んでしまうと、
枝枯れを起こすことが多いので注意が必要。
増やし方:日本のキンモクセイはほとんどが雄株と言われ、
種子をとることができないので、
繁殖は挿し木などで行うようにする。